:拙ブログの関連エントリー2024年04月25日 衆院東京15区補選と選挙妨害!
◇ 「反カルト」なるワンイシュー!
自民・立民でもない「第3極」が台頭するには…?
東京15区をはじめとする各地での衆院補選が終わった。
東京15区と長崎3区で自民党はそれぞれ独自候補の擁立を見送り、唯一、公認候補を立てた島根1区では敗北で議席を掻っ攫われた。
とりわけ3補選とされる全ての選挙区で「立憲3勝」などと称されるように、野党第1党の立憲民主党に議席を奪われたことは自民党にとって大きな痛手であるとともに来たる次期衆院選の趨勢をも占う結果になったと言える。
特に東京15区などは、あれほど著名人が乱立した混戦状態だったというのに結局議席を射止めたのは立憲民主党…。
一連の裏金騒動が自民党にとっては大きな打撃になったことだろうが、連立パートナーの山口那津男・公明党代表が「国民の信頼回復を」と述べたのは失笑もののブラックジョークである。
結局、裏金騒動が何とかよりも、このカルト政党との長年にわたる連立関係を岸田政権でさえ解消するに至れなかったどころか、あれほど揉めに揉めた自公間での選挙協力関係にあっても今までと何ら変化無し…。
ここが岸田・自民党政権が国民からの信頼を得るに至れなかった決定的要因だったと言えるだろう。
補選に話を戻すが、この段階で野党・立憲民主党が全勝したことは単に立民勝利以上に大きな意味を持つ。
補選より前の4月下旬に大阪・大東市で実施された市長選では、大阪完勝が確実視された『日本維新の会』の公認候補が元市職員の無所属候補に敗れており、同会の藤田文武幹事長のお膝元である衆院大阪12区(大東・寝屋川・四條畷の3市)における市長選は同会にとって3連敗。
「維新神話」が完全に陰りを見せた格好だが、カジノ利権に絡む不正や党派ぐるみの裏金騒動など、自民党が有権者からの信頼を失墜させたのは事実としても、その「受け皿」たり得るのは伸張著しくも日本維新の会ではなかったということだろう。
いかに全国的な投票率の低下が指摘されていようと、投票する人は投票しているし、有権者も見るところをしっかりと見ている。
断言して立憲民主党(泉 健太代表)に政権担当能力などないことは事実としても、『旧・民主党』の時代から含め、曲がりなりにも一度でも政権を担当した経験のある政党、もしくはその系譜にある野党に受け皿としての(自公政権への)批判票が集まることを示した一連の市長選と補選結果だったと言えよう。
仮に政権交代が起きるとしても、都合良くどこかの小党とどこかの小党同士がくっ付いて連立政権…というわけにもいかない。
この戦後社会では自民党にしか政権担当能力がないことは事実だとしても、一連の裏金騒動・不正に対しては何らかのお灸をすえなければならない。
しかし、それにも日本維新の会のような新興勢力ではなく、やはり曲がりなりにも最大野党である立民に票が向くことを示したのが今回の補選結果であると言える。
それでも自民党政権にとってまだ救いなのは、立民が有権者らの支持と信頼を全幅に得られているかと言うと、決してそうではないということ。
補選15区で、候補者を擁立せずに不戦敗となった自民党とともに負け組となったのは日本維新の会とて同様。
立民候補が約5万票を獲得して当選したのに対し、維新の会候補は約2万8千票で、2位の元格闘家・俳優の須藤元気氏に約1万票差をつけられての3位。
無所属・新人として注目の15区補選を戦った須藤氏が2位に入った背景には、「ワクチン接種に大きな疑問を投げかけたことに左右両派や党派の違いを超えた『反ワクチン・ネットワーク』の支持が集まったことが主たる要因ではないか」と分析する然る反ワク・ネット関係者の見方もある。
…大阪や兵庫などの関西圏のみならず、関東圏にあっても伸張が著しい日本維新の会であったが、ここで大阪でも関東でも伸び悩んでいる背景には、何かと戦う「ワン・イシュー」なるものが薄まったことが要因ではないだろうか?
大躍進し始めた頃の日本維新の会には公明党(創価学会)が主たる地盤とする選挙区全てに対立候補を擁立し、その「カルト選挙区」を席巻するという大風呂敷があった。
そこがボヤけてしまったことが現在の失速に繋がっているのではないか?
周知の通り、創価・公明党と連立を組むのが自民党政権であり、創価・公明との全面対決は即ち自民党政権との全面対決をも意味するものだ。
反公明・反創価なる、即ち「反自公」が薄まってしまったことが東京15区補選で日本維新の会が議席を取れなかった一因に違いない。
来たる次期衆院選では「創価・公明のための選挙区割り」と言わんばかりに新たな選挙区で実施される。
旧・東京12区(北区や足立区の一部)では前回、公明候補は維新候補に肉薄されてあわや落選の危機。同12区に代わる新たな「東京24区(荒川区全域と足立区の主要部)」で争われる来たる次期衆院選では、特に創価学会員が多いことで知られる荒川区に加え、足立区にあってもこれまた学会員が多いことで知られる「竹ノ塚」や「西新井」が加わる。
結局は自公政権にとって揺るぎない組織票での選挙戦となることは必至で、その絶望感と落胆が日本維新の会でもなく、立民への投票行動に向かったものと思われる。
日本維新の会が本気で自民党政権を倒す気であれば(同じく旧・統一教会との関わりが取り沙汰された自民党を追及する意味で)反カルトのワンイシューを貫かなければならないだろう。
対する自民党は特に統一カルトとの関わりが深かった旧・安倍派の解体には表向き成功しているが、連立政権の公明党との関係にどう楔を打ち込むかが問われている。